第112話 カブケン Market MEMO file:14 2026年9月24日号 歪な指数…日経平均&イビデンの急騰

芦田です。シルバーウィークの4連休(19〜23日)明けは朝の勢いと午後の重さが対照的な一日でした。指数・半導体・銀行・金利と、今日は要素が多いので一つずつ整理します。

日経平均は連休前18日の終値(65,018円)に比べ495円04銭(+0.76%)高の65,513.99円で4日続伸。ただし朝と昼で表情がまったく違いました。

寄り付き直後は連休中の米ハイテク株高を好感した買いが殺到し、前引けの時点で864円高の65,883円、日中には一時66,000円台まで乗せる場面もありました。ところが後場に入ると、日本の長期金利が3.075%と再び30年ぶりの高水準に達したことが意識され、上げ幅をじりじりと縮小。結局495円高まで押し戻されての引けとなっています。「朝の主役は半導体、昼の主役は金利」という、ここ数週間おなじみの構図がまた繰り返された形です。

半導体・AI関連は今日も主役でした。連休中の22日に米ナスダック総合指数が史上最高値を更新、23日もダウが+352ドルと堅調に推移した流れを引き継ぎ、ソシオネクスが+15.00%、イビデンが+14.57%、ウシオ電機が+10.44%と大幅高。値上がり率上位を半導体・電子部品関連が独占する展開でした。ただしここで一つ注意したいのは、値上がり銘柄数672に対し値下がりが834と東証プライム全体では値下がり銘柄のほうが多かったという事実です。指数が0.76%上昇していても、相場の中身は決して幅広い物色ではなくAI・半導体という一部のテーマに資金が集中した選別的な上昇だったということです。

銀行株については、今日は弱い側でした。三菱UFJは9月14日の3,720円から18日には3,620円まで4日続落し、今日24日の前場も3,581円と、直近高値からの調整局面が続いています。連休中の23日には日本株ADRが全面安となり、野村やメガバンクが軒並み下落しました。9月18日の日銀利上げ直後は「利ざや改善」を素直に好感して買われた銀行株でしたがその反応は長続きせず、今はAI・半導体に資金が向かう裏側で利益確定売りに押されている格好です。金利上昇が本来追い風のはずの銀行株がここまで軟調というのは、それだけ長期金利の上昇スピード自体への警戒感が強いことの表れとも言えます。

金利が今日一番のキーワードでした。日本の長期金利3.075%という水準は、原油高止まりを背景にした国内外のインフレ懸念、そして先週の日銀利上げ(政策金利1.25%)を受けた市場の織り込みが重なった結果です。米欧の金利上昇と歩調を合わせる形になっており、「世界的な金利上昇」という大きな流れの中に日本もしっかり組み込まれています。株式にとって金利上昇は将来の利益を割り引く際の割引率が上がることを意味し、特にAI・半導体のような成長期待の高い銘柄ほど本来は逆風になりやすいのですが、それでも今日買われたということは金利上昇を上回るだけの業績・需要期待がまだ勝っているということでもあります。この綱引きがいつまで続くかが今後の焦点です。

その他ではソフトバンクグループが1兆7,000億円規模の外債発行を計画していると伝わったことも今日の材料の一つでした。金利が上昇する局面での大型起債であり、同社の資金調達コストにも影響してくるため、SBG関連の値動きと合わせて今後もウォッチが必要です。

アメリカの動きを振り返ると連休中の22日にナスダック総合が史上最高値を更新、23日はダウが+352ドルと3指数そろって堅調でした。AI・半導体への根強い期待が相場を支えている構図は日本と共通していますが、その裏で長期金利が上昇し続けているという点も日米で完全に同じ構図です。

今日の教訓は、指数の見た目の強さ(4日続伸、+0.76%)と実際の相場の幅(値下がり銘柄のほうが多い)が乖離していたことです。AI・半導体というテーマの強さは本物ですが、それを支える金利環境は着実に厳しくなっており、銀行株の軟調さはその副作用の一つと見ています。金利が一段と上昇するようだとAI・半導体の物色にも息切れが出てくる可能性がある点は頭に入れておいてください。

カブケン運用部・芦田薫

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