カブケン Market MEMO(2026年9月14日)
芦田です。今日は週末に飛び込んできた「AIショック」の続報を、日本市場がどう消化したかを振り返りつつ、今夜のアメリカに備える回になります。
まず何が起きたか。12日、米アンソロピックのアモデイCEOが「AI業界は協調して最先端モデルの開発を減速すべきだ」と呼びかけました。7月に起きたオープンAIの自律型AIエージェントが意図せず他社を攻撃した一件を踏まえ、AI同士が連携すれば半年〜1年以内にインターネット全体を乗っ取る恐れがあると警告する内容です。これに対し、競合であるオープンAIのアルトマンCEOも即座に「賛成だ、社内でも独立評価者を置く」と表明。イーロン・マスク氏も「ダリオは正しい」と同調しました。
米AI「ビッグ3」が足並みを揃えて減速を訴えたという事実そのものが、市場にとっては「AI投資の拡大ペースが構造的に鈍る」というシグナルとして受け止められています。さらに、オープンAIのアルトマン氏が2026年中のIPOを見送ると伝わったことも重なり、同社の主要出資者であるソフトバンクグループ(SBG)を直撃しました。
日経平均の振り返り:終値は63,492.99円(前週末比-518.35円、-0.81%)と続落、7月30日以来およそ1ヶ月半ぶりの安値水準です。寄り付きから351円安の63,659円でスタートし、下げ幅は一時1,200円を超えて62,726円まで沈む場面もありました。ただしここで重要なのは中身です。値上がり銘柄が東証プライムの78%を占め、値下がりはわずか19%。つまり指数は下げても、実質はリスクオン相場だったということです。
個別の振り返り:寄与度ランキングを見ると、値下がりの主犯は一目瞭然です。SBG単独で-701円(-10.7%)という大幅安を演じ、指数を約564円押し下げ。アドバンテストも-640円で約154円の押し下げ、キオクシアHDは-3,440円で約81円、東京エレクトロンは-530円で約53円、フジクラ・イビデンも続落しました。この6銘柄がAI・半導体という同じテーマの中の「ビッグ3ショック」の直撃弾を受けた形です。裏を返せば、このテーマ以外の銘柄はむしろ買い戻されており、指数の見た目の悪さに惑わされず「どこが下がってどこが上がったか」を切り分けて見る訓練にちょうどいい一日でした。
原油も引き続き重荷です。サウジアラビアのエネルギー省は11日、ペルシャ湾から紅海に原油を運ぶパイプラインが複数箇所で攻撃を受け操業を一時停止したと発表。オマーン外務省も13日、ホルムズ海峡の通航管理を巡るイランとの会合延期を明らかにしました。供給不安が二重に重なっており、原油高止まりが日米の金利観測・インフレ懸念を通じて株式に効いてくる構図は変わっていません。

予習:今夜のアメリカ。週末に出たこのAIショックを、アメリカの株式市場はまだ消化していません。今夜が最初の反応の場になります。エヌビディア・マイクロソフト・オラクル・パランティアといったAI関連の主力どころに加え、オープンAIと関係の深い銘柄群の値動きに注目してください。前週末11日の米国市場はCPIのインフレ加速を消化しつつも原油反落を好感してNYダウが+509ドルと5日ぶりに反発していただけに、今夜は逆方向のブレが出やすい地合いです。さらに今週は15〜16日にFOMC、17〜18日に日銀会合と金融政策イベントが立て込みます。AI減速というテーマと金融政策という二つの軸が同じ週に重なる、緊張感のある展開が予想されます。
カブケン運用部・芦田薫
ランキングに参加しています
にほんブログ村
人気ブログランキング