
芦田です。日曜の夜にすみません。別に何かあったから慌てて書いているわけじゃなくて、休日でも相場が気になって数字を追ってしまうのはもう職業病というか趣味みたいなものだから気にしないでね。
ただ、明日の寄り付きに関わる数字が出揃ってきたのでせっかくだから共有しておきます。
まず先物から。 17日未明(日本時間6時)の大阪夜間取引で、日経225先物は前日比1,890円安の63,630円で引けた。16日の日経平均現物終値は65,324.29円まで戻していたから、そこと比べると1,694円も下の水準。来週の予想レンジは上限67,000円・下限62,000円という見方が出ているわ。この振れ幅自体が、今の相場がいかに不安定かを物語っている。

きっかけは16日(金)のアメリカ市場。 ダウは小幅安(-0.34%、52,002.41ドル)で踏みとどまった一方、ナスダックは-2.14%の26,140.03、週間では-4.5%の下落。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は8営業日連続安となり、2008年以来最長の下落局面に入っている。ダウとナスダックでここまで差が開いているのは、売りが成長株・テクノロジー株に集中している証拠ね。
なぜここまで長引いているのか。理由は大きく3つあると見ています。
1つ目は中国勢の技術的キャッチアップ。中国のメモリー大手CXMTが記憶容量と効率性を高めたDRAM製品を開発中と報じられ、マイクロンが-5.6%と急落、競合不安が半導体株全体に波及した。これはキオクシアやSKハイニックスにも共通するリスクで、一過性の材料ではなく構造的な懸念として扱うべきだと思う。
2つ目はAI投資の資金調達不安。データセンター大手コアウィーブが16日も-12%安、週間では-25%安。巨額のAIインフラ投資を借金で賄う構造そのものへの警戒が解けないまま続いている。
3つ目が一番根本的な話で、市場の視点が「AIの将来性」から「個々の企業が実際に儲かっているか」へ移ってきたこと。アンソロピックの7〜9月期売上高が168億ドルと伝わったけど、これまでの半導体株の大幅上昇を正当化するには力不足という受け止めが広がっている。期待先行で買われてきた分だけ、今は現実の数字で厳しく試される局面に入ったということね。これは一日二日で解消する類の話ではなく、しばらく尾を引くと見ておいたほうがいい。
為替にも触れておくわね。ドル指数は週間で9月初め以来の下落幅、円は158円ちょうど付近まで戻している。原油価格の上昇もインフレ見通しへの関心を集めていて、これが火曜の全国CPIの受け止め方にも影響してきそう。本来なら円高は輸出株の重荷になるはずだけど、今回はそれ以上に半導体・AI関連の個別要因が強すぎて、為替は脇役に回っている印象ね。
それと、SNS上では「ブラックマンデー再来」という言葉がかなり飛び交っている。 1987年の暴落と今の地合いを重ねる声が増えているけど、こういう言葉はパニックを煽りやすい面もあるから、言葉のインパクトに引っ張られず、あくまで数字で判断しましょう。実際、16日のダウはナスダックほど崩れておらず、全面的なパニック売りというより成長株への選別的な売りという性格が強い。

明日の立ち回り。 先物が示す下げ幅をそのまま信じて寄り付きで投げ売りする必要はないけど、逆に「行き過ぎたから押し目買い」と飛びつくのも今は危険。火曜発表の全国CPI、今週本格化する米主要企業決算、そして何よりSOXの8連続安がどこで止まるかを確認するまでは、新規のポジションは控えめにしておくのが無難です。ディフェンシブへの資金逃避が続くかどうかも、明日の東証の業種別騰落で必ずチェックしてください。中国勢との競合構造、AI投資の資金繰り、そして収益性への視点シフトという3つのテーマは、来週以降もずっと効いてくるはずだから、頭に入れておいて。
カブケン運用部・芦田薫
ランキングに参加しています⇩
にほんブログ村
人気ブログランキング ブログ村