カブケン Market MEMO(2026年9月18日)
三浦です。今週は月曜のAIショックから始まり、金曜には日米そろっての利上げという大イベントで締めくくる、内容の濃い1週間でした。数字を積み上げながら振り返ります。
まず今週の日経平均の推移です。月曜14日は米アンソロピックCEOのAI開発減速呼びかけとオープンAIの2026年IPO見送り報道で518円安の63,492円。火曜15日はFOMC初日で方向感なく63,484円とほぼ横ばい。水曜16日はFOMC2日目、米韓の半導体株高を追い風に438円高の63,923円。木曜17日にFOMCの結果が発表され213円高の64,136円。そして今日18日は日銀会合の結果を受けて882円高、+1.38%の65,018.95円まで駆け上がり、10日以来となる65,000円台を回復しました。月曜の日中安値62,726円から数えると、1週間でおよそ2,300円の切り返しです。AIショックによる下げを、1週間かけてほぼ丸ごと取り戻した格好になります。
FOMC(15〜16日開催)は政策金利を0.25%引き上げ3.75〜4.00%とし、3年2ヶ月ぶりの利上げを12対0の全会一致で決定しました。同時に公表された経済見通し(SEP)では、18人中16人が年末により高い金利水準が適切と回答するタカ派シフトが示され、市場は年内あと1〜2回の追加利上げを織り込む状態になっています。ウォーシュ議長は会見で「インフレ率は高すぎる」との認識を示しました。

日銀(17〜18日開催)は本日、政策金利を0.25%引き上げ1.25%とすることを7対2の賛成多数で決定。1995年4月以来およそ31年ぶりの高水準です。6月会合以来3ヶ月ぶりの利上げで、これまで半年に1回程度だったペースを加速させました。中東情勢の混乱による原油高、歴史的な円安による輸入物価上昇、AI関連の設備投資需要という3つのインフレ上振れ要因を踏まえた判断です。植田総裁は会見で、2%の物価目標達成に向けて連続的・大幅な利上げの可能性を「排除せず」と発言しています。
ここで一つ、テクニカルな視点で押さえておきたい点があります。利上げなのに円安という組み合わせです。結果発表直後の11時54分、ドル円は156円16銭近辺から156円85銭近辺へ約70銭、日経平均も64,660円近辺から65,190円近辺へ約500円、それぞれ1分足らずで動きました。理屈の上では利上げは通貨高要因のはずですが、実際には材料出尽くし的な円売りが優勢になっています。これは「織り込み済みの利上げは、発表された瞬間に材料出尽くしとして逆方向に動きやすい」という、金利イベントの典型的なパターンです。次に似たような会合を迎えるときも、「結果がどうだったか」だけでなく「市場が事前にどこまで織り込んでいたか」を必ずセットで確認する癖をつけてください。
個別では、キオクシアHDが+9.40%、レーザーテックが+8.70%と、AI・半導体関連が今週の戻りを牽引しました。今朝の段階でもアドバンテスト・東京エレクトロン・ソフトバンクGの3銘柄だけで日経平均を600円あまり押し上げており、月曜に売られた銘柄がそのまま今週の主役に返り咲いた形です。値がさの半導体・AI関連は、材料一つで押し下げ役にも押し上げ役にもなる「振れ幅の大きい主役」であり続けている、という認識は変えなくていいと思います。
来週の予習です。月曜22日は敬老の日で東京市場は休場、火曜以降の取引再開になります。今週の2大イベントを通過したことで、当面は結果の消化と次の焦点探しに入ります。
FOMCについては年内追加利上げの有無・回数、日銀については市場が想定し始めている「今冬の次回利上げ」の確度が、それぞれ次の材料です。そして何より、利上げ後も円安が進んだという今日の値動きが一時的な反応なのか、それとも当面のトレンドなのか。ここを来週以降のドル円と輸出関連株の値動きで確認していく必要があります。
カブケン運用部・三浦結衣
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